『新座市の魅力とは』

跡見学園女子大学 観光コミュニティ学部観光デザイン学科 2年
中野 紗希

 

 新座市はどんな所だろう。学校が新座駅の北口側にあるため南口に出たことは数回ほどしかなかった。猛暑が続く夏休みのある日。私は新座駅南口を出て、ゼミ活動で新座市のことを知るために新座市内を歩き回った。新座駅から平林寺周辺までの、新座市内のほんの一部にすぎないのだが新座市の魅力が溢れていたのだ。
 新座駅南口を出て、ふるさと小道を通る。様々な木々に囲まれて緑一面の道が駅近くにあるとは驚いた。駅から少し離れただけで静かな小道へと変わったのだ。他の木とは違う見た目をした木が目に入った。一緒に新座市内を歩き回ってくださったガイドさんに、「これは百日紅だね。」と教えていただき、私は今まで実際の百日紅を見たことがなかったため初めて百日紅を見て、心を動かされた。百日紅は木の表面がツルツルとしていることが特徴的で百日紅を見かけるたびに気持ちが高まり、うれしい気持ちになった。
 小道から車が多く走っている大通りが見えてきた。ふるさと新座館ホールで少し休憩し、大通りを過ぎて野火止公園に向かった。これまでの道を歩いて飲食店や販売店などのお店が見える景色から一変し、野火止公園周辺から自然豊かな景色になった。真夏だったこの日は蝉の鳴き声が聞こえていたが、この辺りから蝉の鳴き声がより多く聞こえた。視界にも緑色が多く映り、新座市にこんな場所があったことに衝撃を受けた。野火止用水本流に沿って、野火止公園からずっとまっすぐに進んだ。
 現在は遊歩道として親しまれている野火止用水。松平信綱公の命により小平市の玉川上水から分水した24㎞の水路である。野火止用水から聞こえる水の流れる音は優しく、私たちを音で涼しくさせようとしてくれているように思えた。
 平林寺裏の緑道には少し枯れていたが、沢山のアジサイが野火止用水に沿って咲いていた。梅雨の時期であれば水色や紫色、ピンク色の綺麗なアジサイが野火止用水を見守っているかのように咲くだろうと思わせてくれた。また、ヒマワリも見かけるたびに夏らしさを感じさせてくれた。春、野火止緑道の水辺にはムラサキハナナが咲き、用水沿いにはサツキが咲く。秋になるとヒガンバナが咲き、雑木林は紅葉や黄葉になり冬になると葉が落ちるという春夏秋冬を楽しめるところは野火止用水の大きな魅力であると学んだ。
 新座市内には6園のぶどう園があるというお話も聞いた。市内でこんなにも果物が採れるのは珍しいし、環境が良い証拠じゃないかと考えられる。平林寺周辺では新座産のニンジンを使ったうどん「にんじんうどん」を食べられるというお店ののぼり旗を見かけた。新座市はにんじんが有名なので地産地消にも力を入れていて、新座市が街を盛り上げようとしているのが伝わった。
 新座市は自然豊かで、歴史のある野火止用水があり、農産物も豊富。一部を歩き回っただけでこんなに魅力がある場所は珍しいと思う。時間があるときに新座市内のまだ行ったことない場所に行き、新座市の魅力をより知りたい。